塗装工事業者選び、心のポイントチェックリスト!
本書で解説したいのチェックリストをこちらの表でチェックしてみてください。冷静な視点で業者様を見ていただくことができると思います。※店のポイントをチェックした上で、最後はお客様ご自身で意志決定をしてくださいね。
項目 | ( )社 | ( )社 | ( )社 | |
1 | 近いこと | |||
2 | 経営状態が健全であること | |||
3 | 理念をもって会社経営していること | |||
4 | 作業着を見ればわかる | |||
5 | 施工中の現場に行ってみる | |||
6 | 髪型、見た目がきれいな職人ですか? | |||
7 | 言葉遣いや文字が丁寧ですか? | |||
8 | 代表者さんは職人ですか? | |||
9 | 事務所は整理整頓されていますか? | |||
10 | フェイスブックなどでワイワイガヤガヤやっていませんか? | |||
11 | 新卒社員を採用し、育成していますか? | |||
12 | 工事業種を増やす努力をしていますか? | |||
13 | 資格取得や各種登録をきちんと行っていますか? | |||
14 | 工程管理表を見せてもらいましょう | |||
15 | 施工宅を教えてもらい、訪ねてみましょう |
さあ、これからあなたの未来の人生が開けます!
いかがでしたでしょうか?これらすべてをクリアした業者さんを見つけることができたら、あなたは大変幸運であると思います。ところがすべてをクリアし、あなたが共感できる業者と出会うことはなかなか難しいことと思います。
実際に私が見てきた中でも、チェックポイントをすべてクリアしている業者は全国で数えるほどしかありませんでした。では、このような中で、現実的判断指標を提示するとしたら、15のポイントの中で8つ以上をクリアしている業者をお探しになられるとよいのではないでしょうか?
ところが最後にもう1点、絶対に外してほしくないポイントがあります。それは「あなたの好みですか?」という点です。「チェック条件には満たしているけど、結婚はしたくない」というようであれば、一度よく考えてみてください。
そして、やはり「この人たちにやってもらいたい!」というあなた自身の好みを優先してください。塗装業者選びは、「お見合い結婚よりも恋愛結婚をゆうせんしてください」というような趣旨ですね。
なぜなら、人は好きな人であれば一生にわたり良好な関係を構築しようと努力します。好きな人のためには、もう一段上を、一生懸命に頑張ろうと思うからです。
そのようなことを申し上げますのも、これまで日本全国数々のお客様のお声を聴いたり、数々のクレームを見てきて、クレームとは、工事に問題があるだけではなく最初の人間関係の時から始まっているケースがほとんどだったからです。
今、インターネットが発達して、お客様はいろいろな知識をお道になっていますが、必ずしも年収の高い男の人と結婚すれば幸せな人生を送ることができるというわけではないように、インターネットなどの情報を信じすぎて合理的に判断していく伊野は少し問題かな、と思います。
職人といえども人間です。そして男です。
世の中の男性は、頼りにされると頑張るという性質があります。特に、職人さんはその傾向が顕著です。ですから、工事業者を選ぶ時にも、ぜひあなたが頼りにしたい業者を選び、しっかりと頼りにしてあげることをお勧めいたします。
職人たちは今も昔も変わらず男気溢れる方々が多いため、心意気の通じるお客様には「喜ばせてあげよう!」とひと肌もふた肌も脱いで、一生懸命頑張ってくれるはずです。実際にそのような姿も多く見てまいりました。
ぜひ今後とも職人仕事へのご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
さらに最後にもう一つだけ言わせてください。
よく「手抜き工事を防ぐ方法」などという本や記事を拝見することがありますが、塗装工事専門店の方は、手抜き工事など基本的には致しません。
ですが、どうしても発注金額が少なかったりした場合に、どう考えても工事ができないという状況において作業を省略する場合があります。ただし、その場合にも、元受けさんに直接交渉をしているのですが、まったく聞く耳を持っていただけない場合において、作業を省略することがあるというのが、ほとんどなのです。
しかし、そのような仕事をさせられる塗装業者様は心を痛めており「もうあの元受けの仕事はしたくない」と言って、その元請け業者からの仕事をしないという決断をするに至るのです。私のこれまでの経験では、クレーム工事の多くは元請け業者様の塗装工事における知識不足からきているものでした。
それを棚に上げて「塗装工事店は見ていないと手抜きする」とレッテルを張るような考え方は、やめていただきたいと感じているところです。本当の塗装職人さんたちはみな、誠実です。
これは私が事務んの目で全国の塗装工事店を見聞きし、600社以上の塗装工事店の経営指導をしてきて強く感じたことです。
インターネットなどで紹介されている内容とも違いますし、一般的な識者が語っている内容とも違うと思います。しかし、これが現実で汗を流している塗装職人の本当の姿・心意気とご理解下されば幸いです。
そして、数十年に一度の塗装工事がこの本をきっかんけに「かけがえのない人生の思い出」としていただけますよう、心からお祈りして、ここで筆をおかせていただきます。
今後とも職人さんたちを応援していただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
日本建築塗装職人の会初代会長 青木忠史